猫の口上
梅昆布茶

故あってかどうかわかりませんが
猫に生まれまして
たいへん恐縮している次第でございまして

私が人間なら大変かなあともおもうこと
多々ありすぎて
申し上げることも躊躇いたしますが
あえてうぶな猫ゆえご容赦を

猫は四季
きものは要りません

予防注射もありませんし
もちろん健康診断も

政治的力学もあるようですが
そんなのほんの町内のことです
たぶんあなたたちが縄張りとよぶものです

たいがいのほほんとしていますが
ときどきテレビを覗いて
痛勤電車のあなたたちを見ては
えらいことだなあと同情する次第です

その季節だけ雌を恋求めます
ブスとか美人とか関係ありません
多少はありますが
あなたたちほどではありません

だって種の保存のためですから
ただ保存してなんぼかは
あなたたちも知らないでしょう
私だってもちろんしりません

恋は猫の眼のようになんて
失礼ないいまわしもありますが
あえて反論はしますまい

なにかの正当化に寄与出来るだけでも
まあいいのではないでしょうか
かつて進化の途上では仲間だったのですから

猫がちょっと口上を申し上げるぐらいで驚かないでください
反省する猿もいたしそのうち踊る金魚や
ギネスに載る位税の滞納額が巨額な豚なんてのもありかもですから
YouTubeにはもっと不思議な人間たちがいっぱいだし

たかが猫の口上
気に留めるほどのものではありません
ただ消費税の心配をしてみても
あまり甲斐もないかと思っての戯れ言でもありますから



自由詩 猫の口上 Copyright 梅昆布茶 2014-03-20 16:35:37
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