ふねんしー
末下りょう

くたびれた町に出て自分より弱そーな奴を見つけては
蹴飛ばそうとした

塀の上から
ジャンピングニードロップキメたい
後頭部を
探しまくった


びびって家に帰り
湯船を洗った
まっぱでごすごす洗った
フルチンで
垢を、黴を
すみっこの変なぬるぬるを
泡にまみれ
無表情な、なんかムカつくカエルのスポンジで
ごすごすした

肘や耳、
くるぶしが
冷たく
入れかわる


あきらめは愛じゃねーなぐさめだとかなんとかうるせーニヤッとしてみてひきつる切羽詰まってない奴なんてふびんで不純だうるせーやたら黙れあたまこりゃ穴だ


浴栓はずして
溜まりすぎた安息日を
さっぱり
流してやる
排水管ですべては
アンストッパボーで
いいかげんに
炎上、
スベって転んで
白く光って
ぼくはいつか許す 、
どーしても許せないあなたを
それは優しさなんかじゃなくごくごく私的なたしなみだ
あなたのアヘ顏はない
ぼくはだから
風邪をひく
あなたはきっと
何事も起こらなかったように
春の訪問を
涼しい顔で迎え入れるだろうさ


今となってはあなたに言いたい事は何もないが
とりあえず風呂場を出て
家庭用 不燃ごみ袋を
かぶり 、
ふねんしーって
何度か
甲高く叫んでみる
硬くちぢんだ
フルチンごと



自由詩 ふねんしー Copyright 末下りょう 2014-03-20 05:17:24
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