【 今朝の感傷 】
泡沫恋歌

まさか 夢にみるとは思わなかった
明け方の私の夢に現れた
君のことは何も知らないのに
ネットという魔都で知り合ったのは
ずいぶんと昔のことだった

私が詩を書き始めた頃
君の書く詩はとても難解だと思っていた
かっいい君の詩に憧れて 私も詩を書いてみた
初めて「詩人」という言葉を意識した
一番最初の詩人である

ネットに来なくなってから
何年も更新されていない君のブログ
時々 覗いてみたりして……
生きているのか 死んでいるのか
行方不明の詩人さん?

見たこともない君なのに
夢の中では親し気に饒舌だった
目が覚めたら すべて消えてしまった
もう一度 記憶の狭間を漂い
あれこれ探ってみている

詩を書き始めた頃の
自分の熱を思い出して
今朝はやけに懐かしく思っている
忘れていた過去を夢が呼び覚ませてくれた
ひと時 今朝の感傷であった


                     2014/03/19


自由詩 【 今朝の感傷 】 Copyright 泡沫恋歌 2014-03-19 11:45:07
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