冬のコート
梅昆布茶

春の柔らかな外套はいらない
寒風をしっかり遮る重いコートが欲しい

凍てついた大地を確実に踏みしめる足と
流れる雲をよみとる眼差しを

桟橋に繋留するための無骨な舫い綱あるいは
海底ふかく突き刺さる古錆た錨でありたい

そんなもので安寧が保たれるならば
たやすい努力だともおもう

満ちてゆく時間と制約されたいのち
きみの白い指の先に震える明日

子供たちの嬉々とした声がきこえる
そんな季節がすきなのだから
そのために何を惜しむだろう




自由詩 冬のコート Copyright 梅昆布茶 2014-03-16 06:18:58
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