21世紀の恋人
ユッカ

22世紀には猫型ロボットできるかなあ、って
そんなありふれた会話でしか思い出せない
きみのことは
一生ものの記憶にしようと思っていたのに
思いだそうとすると、どら焼きのこととか考えちゃうので
まるい顔の輪郭までしか覚えてない

22世紀には猫型ロボットできるかなあ、って
それになんて答えたのかは覚えてないけど
なんかそういうとこが好きだった 
…ような、気がする


ロマンチックな気分でいたいので
キスはあと3分、その体勢で待ってて
悪いね

美人には3日で飽きる、3日坊主の
人類の末裔が
21年も生きちゃったもんだから
そろそろ人生に飽きてきた
本でも読もう
それか、
あなたの秘密のポケットで
わたしを知らないとこまでつれてって
なんてね

きみが煙草を吸っているの、隠してるけどわたしは知ってるよ
でも隠していたいなら黙っていてあげてもいい
そういうのが「優しさ」なんでしょう
わたし、前世がイモムシだったから、よくわかんないんだけど
「優しい」と「当たり障りない」っていうのは、同じ言葉なんだっけ?

どこでもドアがあっても
たぶん趣味はさんぽだな
使うことってそんなにないんじゃない、実際
なに、のぞきたい部屋があるって?

よくわかんないので
あと1世紀、そこで待っててください


自由詩 21世紀の恋人 Copyright ユッカ 2014-03-14 22:17:37
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