湿度計のある部屋
そらの珊瑚
知りたかった
僕を
取り巻く
空気の中に
今
どれだけの
水の粒子が
溶けているのか
手と手
心と心
乾燥地帯で
ぶつかるたびに
静電気が起き
そこに生まれるのは
青白い炎
痛み
言葉と言葉にもまた
今日も雨は降らない
伽藍のツキノサバクが
全ての葉を落とし
柔らかだった外側を
棘に変えている
カーテンに
映る影は
オアシスから来た小鳥
種の中に湿度計を取り付ける
目盛りは限りなくゼロに近い
いつか起動するその日まで
(たったひとしずくの水から未来が始まるとしたら)
与えられた
ぎりぎりの乾きの中で
膝を抱えて眠りながら
生きている