思考が止まる時私の頭上を時間だけが空回りしている
時間は止まっても自らの時間のみがストップするだけ

時は確実に先へ先へ前へ前へと自動的に移行している
時間は待ってはくれずお構いなく私を追い越して行く

思考を止めたら取り残されて行くのは解っているのだ
歩きつかれた私の傍らに寄り添うものは何もないのだ

焦りも不安もなくこれでよいと一人納得しているのだ
さようなら時よ。さようなら時間よ。さようなら諸々

全ての物が虚空となり私の頭上で翼を広げている時間
空回りしている時間は見えない幾つもの平行する線だ

途切れずにいつまでも私の内で止まり続けているのだ
途切れることの無い時間は私の身体を素通りして行く

追いかけても拒まずに遅れても振り返らずに通り過ぎ
脇目もふらず淡々と確実に私の外で時の翼が羽ばたく

思考が止まる時私の頭上を時間だけが空回りしている
時間は止まっても自らの時間のみがストップするだけ