干渉
ichirou


螺鈿細工は複雑な表面構造が生んだ
いくつもの光が干渉して美しく輝く

池に落ちるいくつもの雨粒の波紋は複雑に
ぶつかり合い互いに干渉して広がり解け合う

この世は複雑に絡み合い
干渉し合い解けて成り立っている

街中で行き交う人々はほとんど見ず知らずの人
それでも私たちは存在していることを
互いにうっすら認識している

会話も会釈すらない私たちであっても
目に入る色とりどりの姿
すれ違いざまに感じる風
波紋の様に広がるざわめき
それらが干渉して解けて
この景色を創っている

私は

この景色が

この干渉の中に解けている私たちが

静かに

広がってゆくことが

愛おしいのだ















自由詩 干渉 Copyright ichirou 2014-03-09 21:31:47
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