わらう風
弓夜

あー、なんてきもちのいいかぜなんだろう
とおもっても
もうえいえんにこないかぜ
たったいっしゅんの

もしかしたらわたしのじんせいもそんなふうにすぎてゆくのかな

だから
つぎのかぜにであえて
どきどきわくわくむちゅうになれるんだけど

そのあいだも
いくつものかぜがふき
わたしはたったいっしゅんのかぜだけに
むちゅうになって
ほかのかぜはちゃんとかんじてないみたい


なんかなんでもそんなふうにかんじちゃう

はしゃいでいるうちに
あたしがきづかないだけで

おおきななにかがうしなわれていたりして…

そんなふうにあたしはたいてい
うしろがみをひかれるかんかくだ

なんておもいながらじてんしゃにのっていたら
おしかぜがふいて
すうーっとはしれた

いともかんたんにわたしをおしたかぜは
きっとわらっていたにちがいない


自由詩 わらう風 Copyright 弓夜 2014-03-08 22:24:55
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