白いロウカス③
信天翁

   気象予報士は淡々と予報する
    北風は円舞曲を奏でるのか
千切れ雲は遁走曲を追いかけるのか

    亀背の心細いかげを作って
   サンルームは舐められている
    おとなしく染色月の微光に

         点眼薬の一滴が
        目がしらを嫌って
      痩せこけた頬に流れる

    あゝ 血のなかのひと声が
透明な四次元にフェードアウトする
      心頭には融けきらずに





自由詩 白いロウカス③ Copyright 信天翁 2014-03-07 20:35:05
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