瘡蓋
チアーヌ

幼いころ
せっかく瘡蓋になると
はがして食べちゃう癖があって
これがどうにもこうにもやめられない
しちゃいけない、なんてことは
五歳でもわかるんだけど
知らず知らずのうちにやってしまう
たぶんそれは
気持ち良かったから

心にも瘡蓋というのはできるのだけど
これがまたはがすのが少し快感だったり
むしろたまにはがして
中のぐちゅぐちゅを空気にさらして
そう
何もしない
さらすだけ

生きているといつまでも
瘡蓋との戦い
でもどんなにできたって
ぜったいはがしてやるんだから
はがして
食べちゃうんだからね

だって
大嫌いなんだもの
瘡蓋




自由詩 瘡蓋 Copyright チアーヌ 2014-03-07 08:54:21
notebook Home 戻る