年式の古いベージュのビートル
草野春心
晴れた日も、雨の日も、花束は
年式の古い、ベージュのビートルの
黴臭いトランクに入れられていた
(どこがどうとは言わないが)蝸牛に似た平べったい影が
後部座席にいつまでも陣取っている
やがてわたしのからだの或る一箇所から
突如としてごつい骨が突き出してくる
ほんとうだ それは突き出してくる
おまえの つめたいピアノが
世界に 爪をたてるとき
自由詩
年式の古いベージュのビートル
Copyright
草野春心
2014-03-06 23:56:21
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