入院
弓夜
ここでは白が
もっとも偉いのです
声は聞こえても
結局は沈黙で
銀色の道具たちが
活躍します
わたしについて
ほんとうに想ってくれているのか
これっぽっちも想ってくれていないのか
常にわかりかねます
外からやってくる人たちは
髪がぬらぬらと艶めいて
ものすごい生命力です
白の厳しさが
ほほえみに変わる頃
外のすべてが
ぎらぎらと光ります
眩しすぎるのです
もう少し
ここにいたいと思ってしまいます
けれどそれは許されない
風に吹かれ
いつしかわたしも
黒い髪をぬらぬらと光らせながら
ひとりそっと
白い箱をあけてみれば
ぎゅうぎゅうと宝物が
詰まっているのです