詩人の言葉
板谷みきょう

抽象的であればある程
現実に在る真実を
言い当てようとすればする程
日常の当り前の暮らしを

問う

特別な感性を口にすることが理解できない者を
排除する傲慢で哲学的な趣をこらした風体は
霊的な高尚さを尊大に

語る

先を越された世界に
真綿でくるんだ野次馬根性を抱いて
不誠実な混乱を招くだけの安定を
貧しく弱い人たちの
代弁者のような振る舞いを
明らかな苦しみの災いさえ
何事も無かったかのように

熱く

哀切極まりない状況でさえ
独り善がりで絶対的な
自己愛のロマンに浸って
励ましながら
淀みない神の破局と
悪魔の破壊を
少しづつ実践している

宗教

荒ぶる風景を見失っては
理由を連ねて
野蛮な言葉を駆使し叫弾する

かすかな唸り声こそが潔く
美しいと
考えているかのように

悪循環


自由詩 詩人の言葉 Copyright 板谷みきょう 2014-03-04 23:44:45
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