人形劇を見たいと痛みを着、行ょ銀に
なけま、たへるよんう゛くを

     しっとりと触れた手が濡れるのは初めてではないと思い、
     しっとりと崩れた顔中は歌を唄い始めるのだと唄歌い。

                 僕は僕たちは人形なので、
               顔は動かないのも当然なので、
            色んな場面に立たされるとしても、
          人形師に操られて動かまいとしても、
              難なく時は止まりにくく、
              滑らかに動く人形も多く、
      僕のは関節はあまり動かないのだけれど、
くるくると演じまわる奴は羨ま恨めしいのだけれど、
     みんな黒子の裏の顔を見ようと躍起だが、
     みんな黒子に操られているので無理だが、
         昔顔に疵のある客が目が合って、
           動かぬ手で顔を刺して憧れて、
             作った傷は余計に僕を貶め、
            作られた傷は余計に僕を慰め、
             渇きかけた体を必死で濡らし、
            演目に向かわせんと必死であやし、
                今やきずが膿んでいるのを、
                今やっと気付いた僕の事を、

     じっと憐れんでいるのはいつの間にか客の顔は僕のだ、
     じっと離れんでいるのはやはり僕は僕たちは人形なのだ。


自由詩 人形劇を見たいと痛みを着、行ょ銀に Copyright なけま、たへるよんう゛くを 2014-03-04 17:48:20
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