空が飛べるんだね ミスター・クロウ
クナリ

歩道橋の上で つまらなそうに
黒い帽子の ミスター・クロウ
放課後の 車行き交う上で
舌打ちもせずに 空を睨んでる

そこはまだ低いんだね
高く飛べることを知っているから



地をゆくための 足ではないと
歩き方で語る ミスター・クロウ
カアと鳴いたら ワアと驚く
私をその背に 乗せてくれない

群れの中でも一人だね
分かり合えたら生きられないから



黒い帽子を
黒い瞳で
黒い影の
影の振りをして ミスター・クロウ
影だけを残して ミスター・クロウ

もう空を飛べるんだね
もうあなたのままでいられるんだね
あの日言ったことは本当だね
私だけに言ってくれたね

空が飛べるんだね ミスター・クロウ


自由詩 空が飛べるんだね ミスター・クロウ Copyright クナリ 2014-03-04 11:37:18
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