空が飛べるんだね ミスター・クロウ
クナリ
歩道橋の上で つまらなそうに
黒い帽子の ミスター・クロウ
放課後の 車行き交う上で
舌打ちもせずに 空を睨んでる
そこはまだ低いんだね
高く飛べることを知っているから
・
地をゆくための 足ではないと
歩き方で語る ミスター・クロウ
カアと鳴いたら ワアと驚く
私をその背に 乗せてくれない
群れの中でも一人だね
分かり合えたら生きられないから
・
黒い帽子を
黒い瞳で
黒い影の
影の振りをして ミスター・クロウ
影だけを残して ミスター・クロウ
もう空を飛べるんだね
もうあなたのままでいられるんだね
あの日言ったことは本当だね
私だけに言ってくれたね
空が飛べるんだね ミスター・クロウ