分別
はるな


しびれるように今日は
明日を失い
昨日を失い
昼夜を失った

羊の目をもつ鳥が落ち
布を裂く音が縦に響き
誰かは誰かを失った

ぎりぎりの分別に
長くのばした爪を引っ掛けて
かろうじて保っていた時間も
凍るようにして失われた

あなたを失いたくなかった
けれども
失う気がしていた
爪がこのように割れることも
わかっていた気がする


自由詩 分別 Copyright はるな 2014-02-28 22:54:18
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