泣きたい日の味
武富諒太
吸えないタバコ 吸うフリして
煙に隠れて 涙する
いつも一人で 泣いていた
路地の裏の 小さな空き地
マンホールの蓋には ぺんぺん草が
天を仰いで 風にそよぐ
いつでも 一人僕が
見上げる空は 遠く霞み
紫煙に紛れ 滲む蒼さに
昨日の夢が 灰となって消えゆくばかり
自由詩
泣きたい日の味
Copyright
武富諒太
2014-02-25 22:35:29