まっすぐ伸びていく
ichirou


入社一年に満たない
まだ未成年の君が
機械に上半身を突っ込んで
型替えを行っている姿を見ていて思う
もう一人前のオペレーターなんだ

ちょっと前までは怪我しないか
とても心配だったけど
今は安心して見てられる

入社したときは少年のようだった君も
今は引き締まった顔の現場の男

失敗しても
言い訳なんて言わず
悔し涙を眼にためて歯を食いしばって
油にまみれている君

間違った時は
はち切れんばかりの大声で
すみませんっ!
って言っている君

君はただ 
まっすぐ伸びていく

雨に濡れ
風に叩かれ
それでも曲がることなく
まっすぐ伸びていく


まっすぐは いい

たとえ誰かと 
わだかまりがあっても
まっすぐだったら
きっと
わかってもらえる

君は若い
まだまだ伸びる

そして
もっと
もっと
強く逞しく
まっすぐ伸びていってほしい




僕は
君のような
まっすぐな人間が
馬鹿を見る世の中であってはならないと
強く念じずにはいられない

もう僕は君ほど伸びることはないかもしれないけど
まっすぐでいるよ
必ず



自由詩 まっすぐ伸びていく Copyright ichirou 2014-02-24 19:06:30
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