けだものたち(2013.11〜2014.2)
新嶋樹

鳥葬の風習のある国にいて選べるのなら赤のくちばし

さわやかな羽が生えてたあのころをかゆい背中が思い出してる

おい悪魔お前の口の中にあるびいだますぐにぺっと吐き出せ

教室にいっぴきの夜の足音誰かの机のでこぼこなぞる

南米の小動物のことを知る忘れて二度と見ぬもののこと

生えてきたしっぽが垂れて困るので腰に巻いたら肥満のかたち

まろび出てしまったのならもう二度と開かないのです 開かないのです

流域で暮らすのはもうやめないかずいぶん腹も減ったことだし

知っているあなたが今日も人知れず蟻塚の上に立っていること

そんざいのしないけものをこねまわすあなたの手つきじっとながめる


短歌 けだものたち(2013.11〜2014.2) Copyright 新嶋樹 2014-02-24 16:20:00
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