あらかじめ現代詩にさせられた言葉たち
左屋百色

じゃりじゃりした気分で
浜辺で
1人で
100人で
海なんて見ないで
あらかじめ用意された
浜辺で
1人で
じゃりじゃりした気分で
少年が
少女が
スズメが
雲が
魚が
猫が
大好きな漫画の中で
次々と
死んでゆくから
少年は
少女は
じゃりじゃりした気分で
浜辺で
あらかじめ用意された
言葉で
2人で
赤い詩集を焼いた。
射精が
終わり
陽が暮れて
少女は
1人で
あらかじめ用意された
体で
裸で
考えた。
スズメも
雲も
魚も
猫も
私の胸に吸い込んで
現代詩になんて
させない。
言葉が
じゃりじゃりした言葉が
浜辺で
ささくれる。
あらかじめ用意された
海なんて
ない。
あらかじめ用意された
2人なんて
いない。
あらかじめ現代詩にさせられた
スズメを
雲を
魚を
猫を
私の胸に吸い込めば
背骨をのぼり
肋骨の公園で遊び
血管を泳ぎ
どろどろした
浜辺で
あらかじめ用意されてない
言葉と
言葉が
激突するから
こころは
壊れるのか
少年よ
少女は裸だ
こころに
射精
してみろ


自由詩 あらかじめ現代詩にさせられた言葉たち Copyright 左屋百色 2014-02-24 16:16:06
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