無題(2014.2)
新嶋樹

胸の奥に花を浮かべた人たちの
お行儀のよい笑顔を覗く
消えてゆくのか指 一本ずつ

肌を塗るもう一度塗る
審判を隠すパウダーの色
どこにいてどこにもおらず
冬空に雲 覆い尽くして

一枚ずつ
一枚ずつ沈んでいく人間の花の
美しい色が かなしい


自由詩 無題(2014.2) Copyright 新嶋樹 2014-02-23 18:25:01
notebook Home 戻る