不眠
kotoha

かなしくてさみしいゆめをみた
なにも思い出したくない
 
 
どうしょうもなくて、こどものように泣いた
鼻の奥がつんと痛くて、なみだがとまらなかった
やわらかな毛布につつまれたまま、身動きできなかった
 
だから、やっぱり、あなたが正しいのだと思った
なにかの罰以外であんな夢を見たのなら、まったく理不尽だと笑った
ただ、泡になって消えてしまいたいと願った
 
不眠症にあこがれる
 
胸のすくような晴れた真昼も
なつかしいにおいのする夕暮れも
目をこらしても星の見えない闇夜も
しらじらと明けていく朝焼けも
ひっそりと息をひそめてやり過ごしたいのに
 
睡魔の手はやさしくて
やっぱり、私は大事なものから手を離してしまう
あさもやのあいまいな混沌にまどろみながら
 
 
かなしくてさみしいゆめをみた
なにも覚えてはいない


自由詩 不眠 Copyright kotoha 2014-02-23 01:41:30
notebook Home 戻る  過去 未来