ちきゅうの内臓
朧月
道をほると
どんどんとほると
一体なにがあるのかとのぞきこんだ
黒々とした土の中に
なにがあるのかと期待した
ユンボでかきだされる黒い土は
内臓のようにみせてやっぱり土だった
その振動は
私のカラダも揺さぶったが
昨日へも明日へもとんではゆけず
今日の中で揺れているだけだった
どこへもゆけない
幼いころからわかってはいた
自分の置かれている場所からは
逃げることなんかはできないのだ
白い雪は黙って去って
おなじ景色があらわれる
内臓をさらけ出した地球のうえで
私は私の足で歩きだした