蟹味噌の頃
藤鈴呼




騙し 騙し
抜き足 差し足 忍び足

騙し過ぎて
何処からが 真実なのか
分からなくなってしまった

なんて
何時もの事だから
余り 気にしない

気にしないけれども
気にならない訳ではなくて

少しだけ止めた 感情ごと
ダイブする

空へダイブするのは
未だ先の話だと

騙された 胸の奥が
呟いた

騙されたのは
心だったのですか
水が溜まった膝ですか
ストレスの染みた脳みそですか
味噌汁は 美味しいですか
カニミソなんて 如何でしょうか

誰が詐欺師で 錬金術師で 偽善者なのかが
分からない夜には 考える

台所に立って 流し台を見つめれば
思い出すだろう

ステンレスのアクセサリーは
柔らかな ワイヤーよりも
作り勝手は 悪いけれども

固いんだ

カタイ ヒスイ も
ゼッタイ に オッコトサナイ よ

アイテムが 可愛いだけで
文句をつけられて 嘆く

可愛らしいのは 身勝手な外側で
心には 毛が生えているんです

普段は 透明ですから
目に見せた記憶は 有りませんが

記憶違いや 勘違いが 増えて来た お年頃

確定では 有りませぬ
豪語も 出来ませぬが

それでも いいですか


自由詩 蟹味噌の頃 Copyright 藤鈴呼 2014-02-18 11:23:24
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