黄色い帽子
nao
風呂に入るために湯を足しました。
昨夜、散々湯船の中で遊んで
ピンク色に汚れた湯なんだけれど、
ボクは構わず入ります。
みんなにソワソワ言われたけれど、
ボクが脳天までどっぷり浸かり込んで、
息が途切れる寸前まで沈んだなら、
彼らは皆、逆に安心したのでした。
そこにボクは、子供の頃の、あの子の、
黄色い帽子を持って入ります。
彼女は連れて行けないので、
帽子をさらって仕舞いました。
それらしくは聞こえますが。
□
ボクは帽子を頭に乗せました。
冷えたお湯と熱したお水は、
いまいち混ざり合わなくて、
肌はソレを凝視することを止めません。
こんなにも限られているのに。
□
ボクは今、裸です。
体育座りをしています。
黄色い帽子に夢を見ています。