黄色い帽子 
nao


風呂に入るために湯を足しました。

昨夜、散々湯船の中で遊んで
ピンク色に汚れた湯なんだけれど、
ボクは構わず入ります。

みんなにソワソワ言われたけれど、
ボクが脳天までどっぷり浸かり込んで、
息が途切れる寸前まで沈んだなら、
彼らは皆、逆に安心したのでした。

そこにボクは、子供の頃の、あの子の、
黄色い帽子を持って入ります。

彼女は連れて行けないので、
帽子をさらって仕舞いました。

  それらしくは聞こえますが。


        □


ボクは帽子を頭に乗せました。

冷えたお湯と熱したお水は、
いまいち混ざり合わなくて、
肌はソレを凝視することを止めません。

  こんなにも限られているのに。

      □

ボクは今、裸です。
体育座りをしています。
黄色い帽子に夢を見ています。


自由詩 黄色い帽子  Copyright nao 2014-02-15 22:26:41
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