雪の中で思ったこと
yamadahifumi




私達の生活はいつからか映像化され

その細部の細部まで

いつの間にか、演劇的なものになっている

私達は日夜、自分と他人に

「そのような見かけ」を与える為に奮闘し

そうして、毎日拙劣な演技をしている

旦那に対する演技 恋人に対する演技 友人に対する演技

同僚に対する演技 ライバルに対する演技

様々な演技があるが、演技は演技である事に関わりはない

そして様々な欲望という名の「本音」は

ネットなどで、ルサンチマン的に吐き出されるのみ

・・・私は今、空虚を思う

この雪が降っている一つの演劇的現実の中で

私はこの雪そっくりの真っ白な

一つの空虚を自分の中に感じる

しかし、それを感じる事が

空虚をただ一人感じる事が

私にとっての「充実」なのだろうか

・・・答えは出ないままに

やがて雪は音もなく

止んだ




自由詩 雪の中で思ったこと Copyright yamadahifumi 2014-02-14 12:53:21
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