イニシエ
平井容子
わたしのとういところをみぞれがながれていった
かこがかこらしいままかせきになり
結晶とわたしが
まったくおんなじそんざいになった
いつかひかるものとしてあつかわれる
幻の火にてらされて
とろけおちるよこがお、しかり
わたしたちから形容詞がうしなわれた
えいえんにちがいつづけるうつくしいかたち、そのものとして
わたしのとういところをみぞれがながれていった
あらゆる点は点でしかなくなり
あらゆる面へといまふりしきる
ちかくがゆらぎとうくがいまここになる
わたしのとういところをみぞれがながれていった
わたしのとういところをみぞれがながれていった