帰り道
Lucy

夕暮れの少し前の空が
薄桃色に発光している
家々の壁も
屋根の雪も

空にはまだ白い月
解き放たれた風船のように
心細げに浮かんでいる

さっきはビルの上にいたのに
おとなりの
車庫の上までついてきて
私を見下ろしている

いきなさい 月
もっと高く

夜が
空を埋め尽くす頃には
煌々と輝いて
私の事など
きっとすっかり忘れている


自由詩 帰り道 Copyright Lucy 2014-02-12 19:20:01
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