ろう下に追放
ユッカ

雪がふる夜は、まぶしくてどこにいたらいいのかわからない
でも適度にフラッシュを焚かれて白飛びした街は綺麗で、
ずっと同じ時間にいたいと思わせてくれる

背中の骨がつばさの名残だなんて言われても、
天使だったことなんてないからわからない
でも街灯に照らされた雪がやんわり羽根みたいに透けると、
ほんの少しだけ、なつかしい気持ちになるかな

ちょっとろう下に立ってなさい!

って、定番のセリフ
結局言われないまま卒業した、小学校・中学校・高校
0点とるよりは100点とるほうが気楽で、
遅刻するよりも早退するほうが好きだった
そんなわたしは大学生で、もう授業中に「消しゴムをなくしたから探しに行きます。」と、
嘘をついて教室を抜けだすこともなく



どうせまた死にたくなっても、春休みがくれば忘れて
どうせまた恋したくなっても、バレンタインが終われば用なし

そんなんだからあなたのところに帰る切符をなくしちゃって、踏切の前で石とか見てる

神さま
あのひとはどうしてわたしたちをつくったんだろう
ミニスカートから伸びて赤らむ脚に
目的地くらい与えてほしい


自由詩 ろう下に追放 Copyright ユッカ 2014-02-11 18:16:24
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