昨日見た雪の事など
yamadahifumi

昨日の二月八日に

関東では大雪が降りました

そのせいで、僕のバイトは休みになったのですが

店長が僕に連絡くれなかったんで

僕は雪の中を歩いて

店まで行きました

店に行ったら店長がいて

「今日はもう休みだ 帰りなさい」と言いました

それで、僕は大人しく帰りました

耳にヘッドフォンを付けて

そこから大音量で

バッハのミサなどを流しながら



       ※

それが昨日あった出来事の全てでした

多分、そうした事はこの

偉大なる人類の歴史にとっては

どうでもいい事なのだと

思います

僕は今、みなさんが大事そうに喋っている事

それらが多分、人々にとっても僕にとっても

とても大切だという事

その事を心から認めます

でも、その

昨日にあった事

僕の身に昨日にあった事

二千十四年の二月八日に

二十代後半のフリーターの身に起こった実に些細なくだらない

どうでもいい事

・・・僕はそれを信じたいのです

多分、この世が潰れたって

昨日、僕が見た雪の白さは

この目の内に残り続けるだろうって事

どうしてだかわからないけれど

僕はそんなくだらない事を

この世界の重大事と取り替えて

それで、今こうやって生きているんです

もちろん、本当に全てが

実にくだらない事なんですが

それでも、僕はそういうものを

信じています

小学校上がりたての子供でも

そういう僕を知ったら

つい、大爆笑してしまう

それぐらい僕は馬鹿なんですが

それでも、僕はそういう事を何故か

信じてしまうんです

・・・多分、僕が馬鹿だから

それが理由なんだと思います

そして、今、これを書いている時に

雪は

さらさらと水に溶けていっています

陽を受けて


自由詩 昨日見た雪の事など Copyright yamadahifumi 2014-02-09 10:50:54
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