きみの いうこと
藤鈴呼
君の言う事は
ほんの ちょっと おかしかった
僕は その ちょっと を
埋めようとして
穴を 掘った
ちょっとダケの つもりが
ちょっと では ナクナッタ
ゆえに
埋まる筈の 穴は
広がった
僕は
ほんの ちょっと 可笑しく なった
いつだって 君の 言う事は
ほんの ちょっと 君が
得を するように
出来上がっていて
僕は
ほんの ちょっと の 違和感を
溶けずに
いつだって
ほんの ちょっとダケ
騙されて いたんだ
いつだったか
広げた筈の 穴が
ほんの ちょっと 埋まった
僕は なんだか 嬉しくて
このまま 土を 被せたら
元通りに なるんじゃないかって
ほんの ちょっと 期待した
その 期待は
気体へと 代わり
機体が 空へ
連れてった
連れ立った 雲
連れ去った 空
とても 青かった