文字風呂
朧月

お風呂の中には水がある
どこからきたのか知りたくて本を読む
おぼれそうになりながら
読む本をささえる指
わたしはどこへゆくの
流れる水になって

言葉はあふれても
どこへもゆけないの
文字にそんな力はないという

そうかしら

伝えるということを
あきらめてはいないのに
ため息つくように
文字を水にひたす

お風呂に文字におぼれながら
あきらめてはいないとおもい
必死におよいだ
わたしというからだ

いっぱいにためられた
水はどこからきたの
どこへゆくのだろう
わたしのことば


自由詩 文字風呂 Copyright 朧月 2014-02-04 22:01:21
notebook Home