握手
マチネ

名前を尋ねられたので
火葬場の薪とわたしは答えた

山の落ち窪んだ場所にある
コンクリートの壁のなかの
あの鉄扉
白手袋

手袋は二足歩行して
乾燥した骨を拾っている

くすんだ骨を嘗めたのは
いつかわたしが燃やす炎だ


尋ねたものはまばたきをして
蒼ざめながら握手を求めた

しらじらとした手のひらを
わたしは強く握りしめて
あかい痛みだけを残してやる


自由詩 握手 Copyright マチネ 2014-02-03 01:29:57
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