シズクにて

きのう
確かに
雨が降っていた
雨の音が聞こえた
眼の奥のほう

爪を切ったから
すきまかぜ
爪先から入ってくる

おかげで冷たい匂いがする
偽物の血と混ざって•••

私の頭は 春を過ぎ
梅のなる頃 雨となる

ただ 溢れるばかりの
冷たい雨に
身を浸す 私は
雨 そのもの




自由詩Copyright シズクにて 2014-02-01 19:02:19
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