洩れる
塔野夏子

洩れる
わたしのすきまから
   わたしが
      洩れる
   淡い光のように
      君へと
         洩れる
      ここからも
         あそこからも
      こんなにもたくさん
      わたしにすきまが
         あったなんて
            君へと
         淡い花のように
            わたしが
               洩れる
            とめどなく
         それとも
            こんなにもたくさん
            わたしにすきまが
               あいてしまったのは
               君のせいなの
            洩れる
               君へと
            わたしが
               洩れる
            淡い炎のように
               とめどなく
                  ここからも
                     あそこからも

      洩れる
         わたしを
            君よ
         心ゆくまで
            たゆたいなさい






自由詩 洩れる Copyright 塔野夏子 2014-02-01 11:45:40
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