あとがき
左屋百色

地獄の土地をころがして
ノートの上にビルを建てるのです



そのビルには
様々なものが激突するだろう
砕けたガラスに反射するのは
真実だけではないだろう
女子校は雪に埋れても
スカートの短さで
男子校を皆殺しにするだろう
そのビルで
ひかりがあたらず
ギザギザの影をギザギザに歩く
小学生がいるだろう
そのビルは
屋上に鳥が休む場所はないだろう
地下に秘密があるだろう
そのビルに
窓は55億枚あるだろう
1枚割れても
誰も気にしないだろう
そのビルは
エレベーターで
上にも下にも横にも行けるだろう
階段では
1枚の割れた窓に
涙が止まらない人もいるだろう
そのビルに
君の言葉が激突する日に
昨日までなかった詩が生まれるだろう
傾いた階段で
私はそれをよむだろう
そのビルは
ノートをとじるように
いつか破壊されるだろう


自由詩 あとがき Copyright 左屋百色 2014-01-30 23:32:36
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