冤罪
藤原絵理子


今朝もぎゅうぎゅう
詰め込まれた通勤電車
トンネルを抜けると爽やかな朝日
お尻のあたりに妙な違和感

さわさわさわさわ
動けない…
首をねじったらつったけど
目の端に黒縁めがねの男

おんどりゃあ 何さらしてけつかんねん
ドタマ かち割ったろかぁ
うちを 誰やと思うとるんじゃい

思わず口をついて出た大音声
黒縁めがねは風船みたいに縮んだ
あたしは地下足袋で踏み潰した


自由詩 冤罪 Copyright 藤原絵理子 2014-01-28 23:51:04
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