イマラチオンの夜
末下りょう


痩せこけたデリヘル嬢にイラマチオをさせながらザッピングする
寒い夜、風は弱い

冷凍ピッツァに混入した
マラチオンに激しくむせるように
涙をうかべるから
美しい

部屋の模様は、薄い薔薇
花から花を
追いかけて
森の奥底で
アズ・ハード・アズ・アイアン

保留された、生臭い、不定形の冬の花火は
自滅する

暗い
バキュームの
複合体の
気絶と
裏切り 、

カテゴリーとカテゴリーが交わる舞台から
ステッキ、一振りで
逃亡して

語られる以前から語られていた
圧縮、振動の声
リプレイする
手品師



コスプレしたポエジーは
冷凍ピッツァに紛れ
無差別に
(観察者)のテに渡り
拒絶/反応を
ヒキオコス

ツケマツゲのはがれた 、衰弱する女の
髪を掴み、
雪のない
寒い夜

戦争のようなイラマチオは夜明けまで 、
終わらない



自由詩 イマラチオンの夜 Copyright 末下りょう 2014-01-28 22:40:28
notebook Home