そうやって生きている
中村 くらげ

一昨日の夜のこと

薄緑の籠に

シャツや下着が

溜まってきたので

洗濯機にそれらを

雑多に放り込み

湯船に張った

冷めかけたお湯に

ホースを通したところで

しとしとと

窓を濡らす雨

空には色濃く

雲が覆い被さっているから

きっと明日は

大雨だろう

昨日の朝のこと

雀の歌で目が覚めた

雨雲は夜と共に

流れてしまったようで

最近では珍しい程の

暖かい朝がそこにあった

仕事に出掛けるため

靴を履きながら

帰ったらきっと

洗濯をしようと

密かに誓う

きっと明日も

晴れるだろうから

そして今

昼過ぎの遅い目覚め

重い体から

布団の殻を剥ぎ取って

誓い通り

昨日の夜に干しておいた

洗濯物を取り込もうと

カーテンを開けると

笑えるほどの雨と雷

私のシャツは狂ったように

濡れながら踊っている

いつもそうだ

期待は裏切られるし

誓いはへし折られる

でも

天気予報は嘘つきだ

なんて悪態もつけない

天気予報は見ていないから


まあいいや

明日洗い直すよ

喜べシャツよ

こんな機会

滅多にないぞ


自由詩 そうやって生きている Copyright 中村 くらげ 2014-01-25 21:52:25
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