ひみつ。
端沢 紫琴

平静を装うには
呼吸を感じられるほど近く
満足するには
体温は届かないくらい遠い


触れるか触れないか
どちらともない
じれったいくらいの距離だった。



私の知らない膨大な時間は
欲にまみれた毎日で

へのへのもへじのかわい子ちゃんと
各地のグルメにスポーツカー
幸せで埋まった毎日に
私の付け入るスキはない。




ただ 今、さっきの三秒間


私が 世界で一番近くに居たこと

二人だけが知っている。



触れたか触れないか
どちらともない
じれったいくらいの距離だった。


自由詩 ひみつ。 Copyright 端沢 紫琴 2014-01-24 20:22:52
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