葬式
春日線香
母が買い物から帰ってくる
わたしは床で死んでいる
そんなところで死んだらだめと母が言う
なんだか気恥ずかしくなって起き上がり
葬式はいつになるの などと話している
そうこうしているうちに親戚が集まってきて
どこで都合したのか祭壇が組み上がる
豪勢な仕出しをみんなで食べながら
おまえもやっとこっちに来たなあ なんて
棺の中に横たわるわたしを覗きこみ
いつのまにやら始まった読経も楽しげで
だがこのあとは焼き場が待っているのではないか
このからだを焼いて骨にするのではないか
そう考えるといよいよ気が重い