せめて
中山 マキ
あなたの無言は
あなたの背骨を通って
わたしの角膜を刺激する
まな板の上で切り刻まれる玉葱が
まるであなたのようで
思わず手を止める
せめて責めて
懺悔も出来ない裏切りが
放置されて乾いていく
わたしが泣くことは自慰に等しい
本当に泣きたいのは
あなたなのだ
自由詩
せめて
Copyright
中山 マキ
2014-01-21 17:27:19