横断歩道
中村 くらげ

赤信号を歩いていく人の背中を見ていた
急いでいる訳でもないその人につられて
ひとり、またひとりと流される

流行の最先端を行く
誇らしげに胸を張って
アスファルトに張り付いたガムを
幾人もが踏み越えて

信号が青に変わった時
周りを見渡すと僅かな人たち
ガムの跡を踏まないように
横断歩道の白色から落ちないように
ゆっくり歩いていける

時代遅れなんかじゃない
そうありたいと思えることが正しさ


自由詩 横断歩道 Copyright 中村 くらげ 2014-01-19 11:54:05
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