誰が卵を置いたのか
ただのみきや

   

卵がスウィングしている
托卵容疑の直滑降は不恰好に喉を塞ぎ
やがて破裂して口いっぱい
玻璃 瑠璃 瑪瑙 罵詈 雑言
秩序の欠如は流星し
脳裏がそっと炙り出す
片手に毬 錦の手毬
片言に首 わらべの首
数珠つなぎになりグルグルと
高く舞っては鳶かしら
囀ってはあれ雲雀じゃないの
縋る視線は青い剃刀に溺れて撚れ
つかみ損ねた流しそうめんの情けなさ
粘土質の妄想は擬態を繰り返し語意の追跡を逃れ
意識は無意識に辺り構わず酔ったイグアナだ
真実は真空に覆われ意味垂れウサギを消失させ
奇怪さと滑稽さは互いに拮抗しながら滑空を続ける
時はいつだってプテラノドンで
笑顔ものっぺらぼうのままだが
鳩時計だけが結構恰好よく鳴いて
真犯人を刻み続ける


   《誰が卵を置いたのか:2013年12月22日》



自由詩 誰が卵を置いたのか Copyright ただのみきや 2014-01-16 22:54:10
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