ベスト
ふるる

ヒカリゴケのように輝く言葉を探して3年が経った
ひとくちに3年と言っても様々なことがあった
かす漬けの美味しさに目覚めたし
沖縄の楽器に手を出して挫折した

そうして割れがちな爪でひかれる辞書の単語が減っていく
覚えたわけじゃなく興味を失った

美辞麗句をすっと言いたくないし
「知らない」と言える人に心からなりたい
呼吸するみたいに知ったかぶりするから自分で自分がおそろしい

愛の言葉なら1年以上考えたいし
憎しみの言葉は口に出せば陳腐でどうすればいいのか

「熱がある」よりも
「細菌と!熱闘を!繰り広げている!」の方が好きだ
身体を動かしてもいないのに闘っているから
だるいし、疲れちゃうんだよね
目に見えないものと

幼い君がていねいに短冊に書いた
「きゅうりになりたいです」
大好きなものになれると信じる力

いまのところ
それがベストだ


自由詩 ベスト Copyright ふるる 2014-01-16 10:42:05
notebook Home 戻る
この文書は以下の文書グループに登録されています。
気に入ってる横書きの詩