夕闇
そらの珊瑚

夕闇がやってくる気配
それは決まって
南向きの玄関の隅から生まれた
冷えていく板張りに寝転がって
図書室で借りてきた本を読んでいると
ふいに呼ばれる
声、
のようなものに

夜が
カラダを
修復するためにあるとしたら
あの時間は
ココロの螺子ねじ
ゆるめるためにあったのかもしれない
ほんの少し
瞳の焦点をずらし
輪郭線をとばせば
わたしをとりまく世界が
ぼんやりと溶け出す
すると
黒電話の
ダイヤルは消え
想うだけでつながることのできる
ただそこにあるだけの
入口、
のようなものになる


自由詩 夕闇 Copyright そらの珊瑚 2014-01-16 09:00:33
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