Far away
藤原絵理子

何度きみを見送ったんだろう
あたしの涙をやさしく拭って
ひとさし指を立てて笑いかけてくれた
きみの痛みには気づきもしないで

あったかいカフェ・オレを
飲ませてあげればよかった
つめたい頬を手のひらで
包んであげればよかった

ごめんね
あたしの目に映る電車には
あたしの中のきみしか乗っていなかった

涙でゆがんだレールの向こうに
帰ってくるきみの笑顔だけ見ていた
いつものプラットフォーム


自由詩 Far away Copyright 藤原絵理子 2014-01-09 22:43:55
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