ともだち
藤原絵理子

真っ白いノートに
青いインクでスラッと書きたい
なぐさめかもしれない
ラブレターかもしれない
高らかな決意かもしれない
それとも
別れのコトバ?

ノートの表紙は
いろんな色で彩って
道行く人の目を引いたり
鎧がわりに身を守ったり
冬の寒さをしのいだりする
けれど
なかみは白と青だけにしたい

あたしはここにいるよ
真っ青な空の背景に
頼りなく薄らいで消えそうだけど
見失わないでいてね
子供のころに夢中で走った
砂浜に打ちあげられていた緑の小瓶
あのころのままのあたしが

駅のベンチに落ちていても
きれいなショーケースに並んでいても
ページを開けばあたしだとわかる
ともだちならそれがわかる
そんなノートを1冊持って
この街の風に吹かれていくんだ
こわがらずに胸をはって


自由詩 ともだち Copyright 藤原絵理子 2014-01-08 22:36:22
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