春待ち
ぱんころ

水の焦げる匂い 室温が1度あがった。
彼が居ない冷えた部屋の空気が少し暖かくなった。
私一人でも、幸せな瞬間があった。
当たり前のことだけど。
最近は、何を見ても彼のことを考える頭に振り回されてし。
彼が壁にくっつけてくれたヤモリのぬいぐるみ。
まだ台所にあるよ。
毎日見ては、思い出すし
外せばいいのに、外せない。
いつか頭からフェードアウトしていく彼。
そんな日は来るに決まってるし、きっと楽になるけど
まだ、だまされていたい。
もうすぐ消えるだろう彼の声。
春が来たら、歩き出せるよね。


自由詩 春待ち Copyright ぱんころ 2014-01-07 00:38:47
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